GUST NOTCH? DIARY

王と鳥

タキカルディ王国の王は独裁者。その王の秘密の部屋には3枚の絵があった。羊飼いの娘、煙突掃除の少年、そして王の肖像画。娘と少年は恋に落ちて絵から抜け出した。娘と結婚しようとする王は、二人を捕らえるためにあらゆる手をうつ。しかし、妻が王の狩の犠牲となったオウムが、二人の逃亡を助けるのだった。
フランスのアニメ作家ポール・グリモーの作品をスタジオジブリが配給。宮崎駿高畑勲が多大なる影響をうけたという作品です。字幕翻訳は高畑勲が手がけています。なるほど、そういう視点で見ると、たしかにジブリアニメのキーワードとなりそうな要素がたくさんありましたね。カリオストロとかラピュタに通じるものが。
時代的に考えてもディズニーにひけをとらないクオリティだとは思います。しかし、アニメーションの技法がどうこうという点ではやはり今の方が優れているのは当然で、でも、それ抜きで見ても今の世代にとってはちょっともの足りない。おそらく、当時はこの中で出てくる巨大な城だったり高層エレベータだったり、地下都市だったり、巨大ロボットだったりというだけでも十分新鮮な衝撃だったのだと思います。しかし、そういうものに慣れてしまっていると、エンタテイメントとしてはやはりもの足りない。教科書というか、歴史として古きを知っておくという感じにならざるをえない。むしろ、先に流れた短篇の方が興味深かったです。
ジブリリスペクトな人ならば見ておいていいと思いますが、普通に娯楽を求めるのであれば、まだ「ゲド戦記」の方がいいでしょう。