遠藤さんとこから引用。
内容は端的に言うと、地方で行われていた犯罪の告白。ただし内容の信憑性には疑問がある。
地方におけるコピー基板の横行、偽造硬貨の使用など犯罪行為の常習。遠藤は初めて知った内容だったのだが、編集者さんも内容に共感していたところを見ると、現在のゲームメディアには、田舎の不良ゲーム少年が血迷って東京に出てきたまま、流されているという実態があるのかも知れない。
ゲーム作家の遠藤としては、最低な内容なので読む価値はないと思う。ただし、80年代の地方のゲーム文化には、こんな側面があったという記録として、不良ではない研究者がゲーム文化史を振り返る際には、一見してもいいかも。
うちの田舎のあたりでは、あまりコピー基板は見かけなかったですが、私が興味を持つ前のインベーダーの時代は、地方に限らずコピー基板が流通していたと思うのですが。それに店でコピー基板作ってるわけじゃなく、業者に「似たようなこんなのが安くある」、といわれればそれを採用するのも当然だったのではないかな。なぜか駄菓子屋の一角がゲームコーナーで、オーナーは歳のいったおばあちゃんということが多かったようなので。なので、これはユーザーに対して言われても……という感じ。そこにあるゲームをやるしかなかったんだもん。
偽造硬貨については、後々に噂では聞いたことがありますが、リアルタイムでは見たことがない。しかも聞いたことがあるのは、5円玉で釣るという話だけ。まあ、火のないところに、ですから、実際にあったのは確かなんでしょう。
現在のマジコンにしろ、少ないお小遣いの中でたくさんゲームをしたいという欲求がこういう方向に向かわせてしまうのでしょうね。偽造コインの場合は自分たちでなんとかしようとした結果でリスクも自分にあったのが、マジコンの場合は他力本願で罪を犯している意識が希薄になってしまっている(というか、ないんだろうな、元から)、というのが大きな違い。買うだけだし、親もマジコン肯定してたりするみたいだし。
というわけで、本の中身にも共感できるし、クリエイターサイドの遠藤さんが不快感を示すのもよくわかる、といった感じです。あ、後半のアニメに走るあたりはよく分かりません。田舎だったんでDAICONとか全然知らなかったし。
帯での肩書きが「日本デジタルゲーム学会理事」となっていて「ゲームデザイナー」ではないところに納得。