GUST NOTCH? DIARY

マイケル・ジャクソン THIS IS IT / This is it

上映時間111分。あっという間だった。
この映像はリハーサルの記録である。マイケル個人が記録したものとなっていたが、それ以外にもステージスクリーン用のカメラ映像なども含まれているようだ。正直、前者の映像は映画としてはあまりよい状態のものではない。あまりアラに気づかれないようにするためなのか、額縁映像になってしまっている。
しかし、そんなことはすぐに問題ではなくなる。我々は、マイケルの一挙手一投足に目を奪われてしまい、画質など気にならない状態になるのだ。作品の中でも本人が言っているが、リハなので100%の力を出しているというわけではない。それでも、数年ぶりに見るマイケルのパフォーマンスは、見る者の目を釘付けにする。
ロンドンで行われるはずだったツアーは、彼のアーティスト人生の集大成であり、ファンが聞きたいと思うベストヒットのセットリストとなるはずであった。作中、ところどころに垣間見える楽曲に対するこだわりからも、彼の意気込みのようなものが感じられる。そのため、この映画には含まれることのできなかった、その他の曲目についても映像が見たい、歌が聞きたいと思ってしまう。
本番でのパフォーマンスが見られなかったことが残念でならない。しかし、このような形でとはいえ、光が差すことになったミュージシャンやダンサーのメンバーたちにとっては、悪くない展開だったと思う。もちろん、本番を迎えられなかったことは残念この上ないことだとは思うが。