GUST NOTCH? DIARY

グーグル秘録 (文春文庫) / 土方奈美 / Ken Auletta (asin:4167651874)

読み始めるまでも遅かったけど、電車の移動中だけで読んだので読み終えるまで時間がかかった。

  • 「顧客やユーザーは常に正しいと考え、彼らにとって違和感のないシステムを創ろうとすべきだ」とペイジ。「システムは取り換えられても、ユーザーを取り換えることはできないのだから」
  • 大企業は起業家を採用しても、管理職に変えてしまう。本物のブランドを手に入れても、自らのブランドに染め変えてしまう。そして官僚主義がはびこり、リスクは避けられ、製品化はどんどん遅れる。致命的なコンビネーションだ。
  • 「あいつらはどこに行った?リーダーはオレなのに!」という古いジョークがあるけど、伝統メディアはまさにそんな感じだね
  • 「グーグルやフェイスブックにいれば、ただ攻めるだけでいい」。だが伝統企業には、守るべき遺産がある。「こちらの世界には”行動しない理由”が十指にあまるほどあるんだ」
  • 会議ではラリーが一方の立場を支持し、サーゲイが正反対の立場を取ることがよくある。そうすると他の参加者がその中間的な意見を出して、だんだん結論が見えてくるんだ。
  • ヤフーが技術的に遅れを取ったのは、CEOが技術を理解できなかったためではないか?スティーブ・ジョブズが解雇された後、アップルが技術的に後退したのも、そのためではないか?
  • 経営陣は、たいがい技術に強くない。これは最悪の図式だ。プログラマーやエンジニア、コンピュータ・サイエンティストの上司が技術に疎い人間だと、指示は的外れになる。そうすると現場は的外れな製品を作らされ、幻滅してしまう。大切なのは、現場の科学者やエンジニアに権限があるような企業文化だ。そして、本当に彼らの仕事を理解している人物が、管理者となるべきだ。でも普通の企業はそうじゃない。
  • 二〇〇九年春、「日本でのグーグル検索の約三分の一は、携帯電話経由だ」
  • ペイパルを立ち上げる一九九八年ごろ、我々は「なぜ銀行がこのサービスをやらないのだろう?」と不思議でならなかった。現実には銀行もまねはしようとしたが、優秀なエンジニアがいなかったため、できなかった。我々のエンジニアの方が、はるかに能力があったんだ。
  • イスラエル出身の企業家で、インスタント・メッセンジャーを生んだ企業の創業者であるヨッシ・ヴァルディは、三年かけて将来のビジョンを描こうとしたことがある。結果はスライド四百枚分のプレゼンテーションにまとめた。しかし、その後彼はスライドを捨て去り、代わりに”ヴァルディの法則”なるものを導き出した。「スライドを四百枚も使わないと説明できないのは、要するにまったく分からないということだ」
  • ポケットベル業界が立ち行かなくなったことを、残念に思うかい?思わないだろう。代わりに携帯電話があるからさ。優れた代替品に抗うのは、どうあがいても無理なんだ