GUST NOTCH? DIARY

告発のとき / In the Valley of Elah

表向きの事象だけみると、ある事件を軍が握りつぶして、一人の父親がその真相を追究する、ということなんだけど、原題が気になって調べてみた。
途中で話がでてくる、ダビデゴリアテの戦いがあった場所がエラの谷らしい。この話と重ねるとすると、小さな存在である一介の退役軍人をダビデに、ゴリアテを巨大組織である軍に見立てたもののようにも見えるが、それだけではなさそうだ。ダビデは羊飼いの少年だったわけで、これを息子のマイクに重ねるという解釈もできる。信念を持って従軍しイラクに向かったマイク。敵であるイラクを倒して英雄として帰国できるはずだったが、そこで知る戦争の現実と矛盾に苦悩し、英雄となりきれない自分。そして、逆さの国旗が意味する助けを求める叫び。
「クラッシュ」の監督さんだということが解ると、やはりアメリカの内なる病を描いているということで納得できます。