映画「トゥルーマン・ショー」に見る広告のあり方から入って、都市と広告の関係になり、最後はその崩壊を示唆する。底本は2002年だけど、最終章は文庫化にあたって追加された昭和30年代ブームに関する論考。
なかなか面白かった。
気に止まったキーワードは以下のような感じ。
- 渋谷とパルコ
- 非日常空間としての都市と広告
- ケータイによる、都市空間舞台の崩壊とプライベートの流入
- つながりの社会性
twitter や SNS が普及する前に書かれたことを考えると、従来型広告の終焉を予想する内容は、先見性があったのかも。ネットとケータイはあったけどね。
結局、人々は非日常空間を求めているので、そこに効果的に広告を置くことが効果的。しかし、かつては非日常を提供できていた東京の都市は、既にそのための機能を失っており、地方都市の東京化もそれに拍車をかけている。そのため、かつては日常だったもののステレオタイプであるテーマパークに非日常空間を見出だそうとしている、といった感じか。