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インタフェースデザインの教科書 / 井上勝雄 (asin:4621086952)

インタフェースデザインの教科書
会社の本。
分かりやすく、読みやすい分量にまとまってるけど、傍流にて間違いなどがいくつか。

  1. ゼロックスパロアルト研究所を PARC でなく「PRAC」と誤植。2箇所でてくるどちらも。
  2. QWERTYキーボードは、わざと打ちにくい並び方に設計された、と書いているが、諸説ある中で断言してしまっていいのか?まあ、これはこの後の Paul David の「QWERTYの経済学」につなげるためだとは思うが。で、その「QWERTYの経済学」を「1995年」としているが1985年が正しいと思う。
  3. 「電話機を発明したトーマス・エジソンの出願の先陣争いは歴史に残る有名な事例である。仮に彼がもう1人の出願者であるイライシャ・グレーに先を越されていたら、歴史にはグレーの名前が刻まれたであろう。」とあるが、電話に関する特許のエピソードならば、エジソンではなく「グラハム・ベル」が正しい。有名だけに間違えちゃうのはね……。
  • インタフェースデザインの開発プロセスは、調査・分析から始まる。次に抽象的なデザインコンセプトの策定(情報のデザイン)、そして、具体的な操作フローの基本設計と操作ステップの詳細検討(対話のデザイン)、さらにより具体的になる表示要素のデザイン(表現のデザイン)から構成されており、その各段階でユーザーやデザイナーによるプロトタイプを使った評価・検証を行う。
  • 人間を中心とする設計を推進する国際規格「ISO13407」が1999年に制定された。この正式名称は「インタラクティブ・システムに対する人間中心設計(Human-centered design processed for interactive systems)」である。〜なお、この企画は2010年にISO9241-210としてISO9241シリーズに統合された。
  • したがって、脳の負荷をより提言させるデザインが見やすくて、わかりやすいことに結びつく。たとえば、ゲシュタルト要因のよい形態の法則(プレグナンツの法則)とよばれている規則性や簡潔さ、対象性、類同・近接・閉合の要因などは、このことを示すよい例である。
  • 子どもや若い人は過去の操作記憶がほとんどないので、新たなアルゴリズム獲得を得意とする。一方、高齢者は、過去の使用した体験の操作記憶(アルゴリズム)にもとづいて操作を行おうとする傾向がある。
  • そこで、認知心理学の知見にそれを求めることになるが、その中でインタフェースと関係する有名な3つの認知モデルがある。それらは、カードの認知情報処理モデル、ノーマンのユーザー行為の7段階モデル、ラスムッセンの好意の3階層モデルである。
  • より使いやすくすることを目標として用いられた目的形インタフェースは、逆に操作用語の意味がわかりにくいという矛盾する調査結果を示した。
  • iOSヒューマンインターフェイスガイドライン
  • アフォーダンス」や「一貫性」などはデザインのコンセプトである「情報のデザイン」に関係する。また、「表現のデザイン」に関係するデザインルールで有名なものに「フィッツの法則」や「ヒックの法則」、「マッピング」、「グーテンベルクダイヤグラム」などがある。