昔から何度となく繰り返される「ローマ字入力/かな入力」論争。また話題になってるみたいですね。
私はずっと「かな入力」です。
最初にまともに「キーボード」を使ったのは、JR-200というパソコンを買ってもらったことによります。「まともに」ということわりを入れているのは、それ以前にいわゆる「カナタイプ」を触ったことがあるからです。
当時のパソコンは、まだ漢字の表示や入力ができないものが多く、JR-200もカナしか表示できませんでした。当時は小学生ですから、何か画面に表示するのに英語でメッセージとかは書かないわけです。当然日本語で、他には選択肢はないので「カナ」になります。それを入力するにはキーボードに書いてある「カナ」のとおりに打ち込むしかなかったわけですね。
そんなわけで、まずは「かな配列」を覚えたわけです。
しかし、JR-200ってのはいわゆる「消しゴムキーボード」と呼ばれるやつで、タッチタイプをするのは現実的ではありません。でも、プログラムの入力に必要な命令はCTRLキーに割り当てられていたのでそれでもあまり問題はありませんでした。
タッチタイプを覚えたのは、親が日本語ワープロ「書院」を買ったことによります。そのまま「かな」で入力するというのは自然な流れでした。
既にローマ字は習っているわけですが、かなの配列を既に知っているわけです。さらに、当時のローマ字入力には方言のようなものがあり、たとえば「ぃ」を入力するのに「xi」とするものと「li」とするものがありました。メーカーによって違っていたんですね。それ以外にも「ん」を入力するには「nn」と打つのをいつも「n」にしてしまったりして、たとえば「犯人は」と入力しようとすると「hanninha」とやってしまって「班員は」になってしまったり。他にも「ドゥ」と入力したいときに「do」と「xu」になって頭の中で考えている音と実際に入力しないといけない音が違ってしまったりするのがストレスで、「そのまま打てる」「かな入力」を選択しました。以来、ずっと「かな入力」です。
もうひとつ、私がローマ字入力を敬遠する要素に「子音と母音が交互に現れることに起因するキー入力の偏り」があります。具体的に言えば、「わざわざ沢田さんを探さなくても」みたいなときの左手の薬指と小指の酷使みたいなことです。それなりのスピードで入力できたとしてもかなりストレスです。かな入力だと、QWERTYと同様、良くも悪くも適度にキーが散らばっています。
さて、このローマ字入力/かな入力論争がでると、以下のような点がローマ字入力の利点として挙げられることが多いです。
- 覚えるキーの数が少なくて済む
- キーボードの3段しか使わない(手の移動が少なくて済む)
ひとつ目については異論はありません。「かな」の分を覚えなくて済みますから。でも、ふたつ目の主張には疑問があります。
ローマ字入力の人も、記号や数字を入力しますよね?日本語入力中でも最上段のキー結構使いますよね?「!」とか「#」とか括弧とか。バックスペースとかデリートって大抵一番上の段にありますよね?タッチタイプする人はそれらもキーボード見ずに入力できますよね?
なので、頻度は確かに少ないかもしれませんが、ローマ字入力の人も4段分使ってて、手も動いているはずです。まあ、手の移動が少なくて済むという点は実は正しくて、かな入力の人は、さらにファンクションキーも多用しているはずです。F9とかF10とか。
一方、かな入力の利点として挙げられる「打鍵数が少なくて済む」という点については多分そうだと思います。でも、私にとってそれよりも重要なのは、頭の中にある入力したい文字をわざわざ母音と子音に分けて考える必要がないということの方です。
「ローマ字入力」と「かな入力」でどちらが良いか?という質問に対しては、「両方試してみて自分の入力しやすい方を使うのが良い」というのが個人的な意見です。思考的な部分とか物理的な部分とかどちらにもちょっとしたハードルがあるので、その人が楽な方で慣れていくほうが最終的に速く入力できると思っています。
ただし、かな入力を選択する人は、キーボード選びも重要です。キーボードレイアウトによっては、いくつかの文字の位置が違ってきますので。
(参考)「けん盤配列にも大いなる関心を(和田英一)」
ちなみに、私は未来永劫変わらないはずのUS-ASCIIキーボードを使っています。ま、それでもMSとMACでは、かなのレイアウトは少し違うんですけどね。私の方が合わせちゃえるようになってます。