GUST NOTCH? DIARY

東京大学「80年代地下文化論」講義 / 宮沢章夫 (ISBN:486191163X)

原宿にあった「ピテカントロプス・エレクトス」に集う人々と桑原茂一が80年代カルチャーの中心だった。そちらが表の文化だとすると、その対極にいた裏文化が「おたく」の発生。そして、それらを繋ぐのが「ゼビウス」というゲームだった。とまあ、間違いではないと思うけど、ちょっと偏った領域でまとめてしまっていないかな?
「地下文化」というのは「アングラ」という意味ではなく、純粋に「ピテカン」が地下にあったから、ということだそうです。
この本の中でも触れられている「宝島」や「TECHII」が作りそうな音楽業界地図を(というか、実際「宝島」のが出てきますが)その中にいた著者が実体験として語るといった感じです。
読んでると、西武による文化支援が80年代を引っ張っていたんだねぇというのを痛感しますね。著者はWAVEを中心に話を薦めていますが、同時期に池袋にLIBLOも出ているわけで、PARCOとともに、美術館と劇場までも持つ一大グループだったわけですよね。結局のところは、西武が文化活動に力を入れたってのが一番重要なファクターだったんだと思う。バブルで右肩上がりだった時代ってのもあるけど。
80年代は私はまだ子どもだったのですが、わずかながらでも記憶のある時代ということで面白く読めました。