GUST NOTCH? DIARY

AR〈拡張現実〉入門 (アスキー新書 165) / 丸子かおり (asin:4048688642)

で、早速読み終えたわけですが、暦本先生のインタビューの以下の部分に「なるほど」と思った。最近「拡張現実感」ではなく「拡張現実」と言われることの方が多くなってきたので。

ARにはふたつ解釈があって、ひとつは現実が拡張されている『拡張現実』。もうひとつは『拡張現実感』と言って、現実が拡張されるのではなく、現実を認識する人間の能力が拡張されるというものです。

ところで、先日読んだ「AR-拡張現実(asin:4839935645)」でも指摘したのですが、この本でもIKEAの「augmented catalogue」が実在することになっていました。

世界的家具メーカーのIKEAでは、もともと「IKEA Home Planner」という、ユーザーが部屋にIKEAの家具を配置したイメージを3Dで見られるシステムを配布していたが、新たにARに対応した製品カタログ「IKEA Augmented Catalogue」を配布し始めている。
IKEA Augmented Catalogue の使い方は簡単。カタログからマーカーを取り出し、マーカーを室内に置いたあと、iPhoneのカメラを通して見るだけだ。これで実際の部屋の映像に、マーカーに対応した家具が重ね合わせて描画されるというもの。iPhone上からプロダクトやサイズ、色の変更も可能なほか、「order」というメニューをクリックするとiPhoneから直接購入できる。

ここまで言い切っちゃうのね。
ちょうど、昨日の「ワールドビジネスサテライト」でも拡張現実がとりあげられていて、そこでも「日本ではまだできないんですけども」(海外ではできる)というニュアンスで、このIKEAの例が説明されていました。(以下の動画の8:48くらいから)

私も別に著者の方を叩こうとか、このカタログのコンセプトを否定したいとかいうわけじゃなくて、むしろ、とっとと実装して欲しいと思っているわけですが、事実ではない、間違いが流布されるのはどうなんだろう?と思っているわけです。なぜかこの事例に関しては、ユーザーの期待値も高いようですし。
で、この件に関しては、以前書いたようにまだ公式には実現していません。
先日もtwitter上で以下のようなやりとりがあったようです。時系列は上から下へ。@IKEA_jp_Anna というのは、IKEA Japan のアカウントです。

deki: 今のアプリでできますか? これがやりたいんですー→ http://bit.ly/aTKM2z RT @IKEA_jp_Anna: @deki IKEAのAnnaです。こんにちわ!アプリのことでいいのかしら?ここからどうそ!→ http://bit.ly/cYKhLG 5:55 PM Sep 3rd



four_rice_cakes: @IKEA_jp_Anna すいません、何か話が根本的にズレているような気がしまして。私が知りたかったのは、IKEAさんのARカタログなるものが、実在するのかどうか、ということでして。 http://j.mp/d3TOiJ http://j.mp/caZf2O 7:35 PM Sep 3rd

IKEA_jp_Anna: @four_rice_cakes AR機能について調べてみました。現在、ヨーロッパのイケアで試験的にスタートしているそうです。 まだ企画段階なので、正式リリースに向けては準備中とのことでした。 11:23 AM Sep 4th

four_rice_cakes: @IKEA_jp_Anna AR機能はまだテスト段階ということですね。これでようやくスッキリしました。ARカタログが発表されるのを、とても楽しみにしています。色々と調べていただきまして、本当にありがとうございました。 11:27 AM Sep 4th

IKEA_jp_Anna: @deki いま話題のARカタログについてのご質問ですよね? 今回リリースされたIKEAカタログ2011のiPhoneアプリには、AR機能は未対応とのことです。 きのうはとんちんかんな回答でごめんなさい。私も勉強になりました。 11:33 AM Sep 4th

現在までに IKEA が公式に行った iPhone での AR 的アプリは、以下のものだけのはずです。

しかし、SONYも同じようなことをやっていて、こちらは実現しているのにも関わらず、IKEAの方ばかり話題になるのはどうしてなんでしょうね?
IKEAだからなのか?iPhoneだからなのか?家具だからなのか?単にIKEAのが有名になっただけなのか?