去年はすっかり忘れていたのですが、昨日気がついたので録画しておいた。それを早送りで見たので全てのコメントは聞いていません。
「ALWAYS 三丁目の夕日(asin:B000EPE77S)」が独占。主演女優賞の吉永小百合以外を独占ってこれまたあからさまな。
以前から何度か触れているように、この「日本アカデミー賞」というイベントは、メジャー配給会社の、メジャー配給会社による、メジャー配給会社のためのものである。そのため、「なんでこの作品が!?」というケースが多々ある。Wikipediaの記述もご参考に。
「ALWAYS」の作品賞はまあいいとしよう。たしかにいい映画だったし、興行収入も伸びている。だから、作品賞は大目にみよう。でも他はどうだ?
今年の流れからいくと「パッチギ!(asin:B0009G3F16)」が作品賞と監督賞のどちらかはとるべきだった。キネマ旬報ベストテンもブルーリボン賞も取っているのだから。せっかく昨年は各賞が分散していい感じだったのに、またこれでこの賞の意義に疑問を持つ人が増えることだろう。監督賞の発表の時の井筒監督の表情を、私は「やっぱり(くれない)か」というように見た。
他の賞についてみても、このノミネートの中で考えたとしても「ALWAYS」が独占するほどだったかというのは疑問だ。「ALWAYS」が悪いというのでは決して無いが、逆にそのように考えてしまいたくなるのが「日本アカデミー賞」なのだ。
傾向を見ようと思って、1990年以後の最優秀作品賞と、同作品が独占した数、製作、キネマ旬報ベストワン(K)、ブルーリボン賞(B)を列挙してみる。「/」の後は配給。
- 2006 ALWAYS 三丁目の夕日 (12)
- 2005 半落ち (2) (asin:B0001AE1WW)
- 2004 壬生義士伝 (3) (asin:B00009AUV8)
- 松竹=テレビ東京・テレビ大阪=電通=衛星劇場=カルチュア・パブリッシャーズ=IBC岩手放送 / 松竹
- (K)美しい夏キリシマ (asin:B0002HNQBQ)
- キリシマ1945 / キリシマ1945、パンドラ
- (B)赤目四十八瀧心中未遂 (asin:B0007G8DLK)
- 赤目製作所 / 赤目製作所
- 2002 千と千尋の神隠し (1) (asin:B00005S8LI)
- 2001 雨あがる (8) (asin:B00008Z6UB)
- 2000 鉄道員(ぽっぽや) (9) (asin:B00005Q8DM)
- 1999 愛を乞うひと (8) (asin:B00065UB0)
- 1998 もののけ姫 (1) (asin:B00005Q4I3)
- 徳間書店・日本テレビ放送網・電通・スタジオジブリ / 東宝配給
- (K)うなぎ (asin:B00012T3VO)
- (B)バウンス Ko GALS (asin:B00005HP5I) / 松竹=松竹富士配給
- 1997 Shall we ダンス? (13) (asin:B0007LHFYG)
- 大映=日本テレビ放送網=博報堂=日本出版販売 / 東宝配給
- (K)Shall We ダンス?
- (B)岸和田少年愚連隊 (asin:B00005HNHO)
- 1995 忠臣蔵外伝 四谷怪談 (7) (asin:B000BKJFE6)
- 松竹 / 松竹
- (K)全身小説家 (asin:B00005HPKP)
- 疾走プロダクション / 疾走プロダクション=ユーロスペース
- (B)棒の哀しみ
- ユニタリー企画=ティーエム・シー=ヒーロー / ヒーロー
- 1994 学校 (6) (asin:B000BKJF4G)
- 1992 息子 (4) (asin:B00080KNOU)
- 松竹映像 / 松竹
- (K)息子
- (B)あの夏、いちばん静かな海。 (asin:B00005EDRZ)
- 1991 少年時代 (6) (asin:B0007PIOHY)
- 1990 黒い雨 (9) (asin:B0002AP1ZM)
- 今村プロダクション=林原グループ / 東映
- (K)黒い雨
- (B)どついたるねん (asin:B000065BH4)
- 荒戸源次郎事務所 / ムービーギャング
ふむ、持ち回りとか日テレ指向とかいうのは思ったほど見られないな。でも、メジャー配給か否かというのは、ハッキリとでてますね。あと、フジテレビは嫌われてるとか。
作品と監督以外でも、宮崎あおいや蒼井優といった、今後の日本映画を引っ張って行くであろう人は、過去においてもかすりもしていないのね。