GUST NOTCH? DIARY

きいろいゾウ

ツマとムコはムコの実家で二人きりで暮らしていた。ムコは近くの老人ホームの手伝いをしながら小説を書いている。ツマはたまに何かと会話をしている。ふたりで仲良くつつましく暮らしているが、お互いに相手に伝えていないことがあった。
簡単に言えば、秘密を抱えていた二人がそのことでギクシャクして、それを乗り越えてより深いつながりを得る、という話。それはちゃんと分かるんだけど、ムコの方については分かるんだけど、ツマの方が今ひとつ消化不良。ムコについてもスッキリしない点は残ってる。
一番気になるのは、ツマがいろいろなものと会話できるのは、事実なのか妄想なのか病気なのかという点。一番しっくりくる解釈は、いちおうは事実であって、ソテツはムコの先祖が宿っているというように見ること。ただ、そうすると、じゃあきいろいゾウの存在はどうなるんだという。
ツマの様子が変わるのも、ムコの台詞では入居者の人が亡くなった後からということになってるけど、おそらく実際は手紙が来た後から。このあたりは狙っているのか、ムコの視点に忠実なつもりなのか?
それに、原作を知らないで見ているので、「ツマ」は「妻」と同じなのかどうかというのが分からないので、手紙の主が父親なのかと思ってしまった。そう、父親といえば、象の夢をみた後の台詞からも、象は父親と関係あるのかというようにも考えた。
おおざっぱにはよい話だと思うけど、細かいところが気になった作品でした。小説ではどうなのかしら?