GUST NOTCH? DIARY

君と歩く世界 / Rust and Bone / De rouille et d'os

息子と二人で姉を頼りに南フランスにやってきたアリ。警備の仕事をしている時に、シャチの調教師であるステファニーと出会う。彼女は事故で両足を失ってしまい、失意の中に居たが、普段と変わらぬ付き合い方をしてくれるアリのおかげで、少しずつ前向きになっていく。
うーん、この作品、主人公は両足を失う調教師ってことになってるんだけど、私の目から見ると主人公は彼女と出会う男の方なんだよなぁ。物語の描き方もそのあたりがはっきりはしていない。ストーリーの主軸が二人の間をいったり来たり。そのせいで、2人しかいないのに群像劇みたいになっていて、ポイントがボケ気味。彼女にフォーカスするなら彼のエピソードの分はもっと削れるし、彼女の分をもっと増やすべき。
むしろ、妻に逃げられた無職のダメ男が息子との間もイマイチだったのが、自分の生き方を見つける物語、というように見える。そこに現れたのがたまたま事故で足を失った女性だった、と。
良い作品ではあるんだけどね……。