この一週間で30本弱のテープを分解してたら、別のタイプのテープが出てきたのでこちらについても記録しとく。
内部の回転ストッパーの機構がこんなちょっと複雑な奴がある。右のリールの下の部分にバネと連動する複数のパーツがある。おそらく新しめのテープはこのタイプになってるんじゃないかと思う。
以前のタイプはケースの隅にあるパーツが、右の歯車部分を押さえるようになっていた。このタイプは、さらに左のリールのエッジの凹凸も同時に押さえるようになっている。具体的には、この状態だとストッパーがかかった状態。
このようにパーツがケースに寄っているときは回転する状態。
ケースの角にある穴から棒状のものが入ってくるとこのストッパーが解除されるようになっている。これは前のタイプも同じことで、ストッパーのパーツが押し上げられることにより歯車から外れるようになっている。
さてさて、今のところTDK、Scotch、Victor のテープが出てきた。TDKのテープはテープ側面を覆うようにカビが生えているが、テープ表面はあまり被害がない。一方、ScotchとVictorのテープは一見するとあまりカビがないように見えることが多いが、局所的にポツポツとついていることが多い。また、Scotchのテープはテープ表面に菌が生息してますよーという感じではなく、蛇口の水垢のような感じでカビが覆っていることがある。
こういうやつには、テープ送りはできるが再生はできない壊れかけのビデオデッキのヘッドに不織布を両面テープで貼り付けて走行させている。どうでもいいテープで実験してみた結果、紙ヤスリだと磁性体を削りとってしまい、確実に映像に影響がでたのでこういう形にしてみた。
効果がどれだけあるかは正直なところあまり期待していなかったのだけど、やってみたらデッキの内部に白い細かいものが飛び散っている。テープの側面からなのか表面からなのかは分からないが、なにかが取れてはいる模様。この部分が本当にきれいになったかどうかの確認は難しいのだけど、とりあえずこのテープもちゃんと再生はできるようになった。
最後に、テープが裂けてしまった部分の実例。エッジから斜めに切れるのではなく、カビの癒着によってささくれるようにテープが裂けてしまっている。
この原因となったカビは、リールとテープの側面の間にポツリとあったカビの部分でした。
やってみて感じたのは、分解して手で回すって方法は、意外と正解なのかも、ということ。カビているリールの動きに自由度があったほうが作業中にテープが裂けにくい。テープがくっついてるところではテープが捻じれてリールが持ち上げられ、剥がす方向にいい感じに力が加わる。それに手で回していると不規則な回転になったら加減を変えられる。そういう意味で、リールを押さえつけず、かつ、適度な振動が加わるという点でも、テープをあけた状態で巻き取るというのはなかなか良かったのかも。