会社の本。2012年に増補改訂版がでてるらしいけど、古い方。日本版は2000年。原書は1997年。
- 個々の企業が市場の最上層で行き場をなくし、やがて衰退するとしても、それに代わる新企業が現れるため、米国経済は力強さを保っている。これは日本では起こり得ないことである。
- 近い将来、「インターネット端末」がパソコンのハードウェア、ソフトウェアのメーカーに対する破壊的技術となるかもしれない。
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- 原則1:企業は顧客と投資家に資源を依存している
- 原則2:小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
- 原則3:存在しない市場は分析できない
- 原則4:技術の供給は市場の需要と等しいとはかぎらない
- 簡単にいうと、優良企業が成功するのは、顧客の声に鋭敏に耳を傾け、顧客の次世代の要望に応えるよう積極的に技術、製品、生産設備に投資するためだ。しかし、逆説的だが、その後優良企業が失敗するのも同じ理由からだ。
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- ステップ1:破壊的技術は、まず実績ある企業で開発される
- ステップ2:マーケティング担当者が主要顧客の意見を求める
- ステップ3:実績ある企業が持続的技術の開発速度を上げる
- ステップ4:新会社が設立され、試行錯誤によって破壊的技術の市場が形成される
- ステップ5:新規参入企業が上位市場へ移行する
- ステップ6:実績ある企業が顧客基盤を守るために悪阻も着ながら時流に乗る
- 「顧客の意見に耳を傾けよ」というスローガンがよく使われるが、このアドバイスはいつも正しいとは限らないようだ。
- 破壊的技術に対応するには、持続的技術に対応するとき異常にリーダーシップが重要であることと、小規模な新しい市場では、大企業における短期的な成長と利益ニーズを満たせないことである。
- 「ニュートン」という製品の開発に何百万ドルも投資した。ニュートンの昨日は、同社の歴史の中でもとりわけ徹底した市場調査によって決定された。
- しかし、アップルは、ニュートンを発売するにあたって、最終的な製品と市場を想定するプロセスをないがしろにした。
- 破壊的技術の用途となる市場は、開発の時点では単にわからないのではなく、知りえない。
- この問題に対応する方法は、二つに一つである。破壊的技術が利益になることを、主流組織の全員の頭と魂に吹き込むか、このプログラムを成功のために必要な道程と考えることができる程度の規模の、適切なコスト構造を持った組織を創設するかである。
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- 第一に、市場が求める、あるいは市場が吸収できる進歩のペースは、技術によって供給される進歩のペースとは異なる場合がある。
- 第二に、イノベーションのマネジメントには、資源配分プロセスが反映される。
- 第三に、あらゆるイノベーションの問題には、資源配分の問題と同様、市場と技術の組み合わせの問題もともなう。
- 第四に、たいていの組織の能力は、経営者が考えるよりはるかに専門化されており、特定の状況にのみ対応できるものである。
- 第五に、破壊的技術に直面したとき、目標を定めて大規模な投資を行うために必要な情報は存在しないことが多い。
- 第六に、つねに先駆者になる、つねに追従者になるといった一面的な技術戦略をとるのは賢明なことではない。
- 第七に、本書でまとめた研究によれば、新規参入や市場の移動に対しては、経済学者が定義し、重視してきたような障壁とはまったく別の、強力な障壁がある。