GUST NOTCH? DIARY

HUMAX 成田 で IMAX DIGITAL を見てきた

何かいつもとは違うことをしてみたかったので、ふと思い立ってHUMAX成田にできたばかりのIMAXシアターを見に行くことにしました。ネットで調べてみたら、そんなに混雑はしていないみたいだったので。
前評判を聞く限りでは、川崎をはじめこれまでに設置された IMAX DIGITAL よりもスクリーンが大きいらしいということ、また、従来の劇場を改装してIMAXにしたのではなく、最初からこのために設計されたということなので、少し期待ができます。
が、まずたどり着くまでが大変です。最寄り駅は、JR成田または京成成田。隣の駅はもう成田空港です。逆に言えば、成田空港に行く手段をそのまま利用できるとも言えます。イオンモールというショッピングセンターの中というか横にアミューズメント施設がまとまっているっぽいのですが、地元以外の方がどのくらいこの駅で降りて、この施設まで訪れるのか?というのは少し疑問です。成田山に来た人がこっちまでくるのかなぁ?

ちなみに、駅からはバスで10分ほどかかります。京成成田駅前から出ていて200円前払いです。と、書いていますが、私の場合は、時間がギリギリになりそうだったので、タクシーを使用しました。1080円でした。タクシーの中で運転手さんに聞いてみたのですが、さすがに歩いて行くのは厳しいということです。事前に見た案内図だとそういう印象はなかったのですが、駅からみると成田山の裏側にあたるらしくて、ぐるっと回る感じになるそうです。帰りはバスで駅まで戻りました。Google でルート検索すると、約3kmですね。

HUMAX系のまともなシネコンに来たのは初めてだと思うのですが、とても良い印象を受けました。チケット売り場に列はできていないのですが、売り場には5人くらいはスタッフがいて、みなさん「いらっしゃいませ」的な声をかけてくれます。また、通常スクリーンの入り口はIMAXとは別なのですが(というか、IMAXが通常のとは別なのですが)、ここの入口の上に大きな番号がついていて、開場中のスクリーンに電気がつく、というシステムでした。これは分かりやすい!

さて、IMAX です。

モギリ正面でIMAXのロゴが迎えてくれます。このすぐ左が劇場入口だったのですが、私はそれには気づかず、右側にある反対側の入口の方へ向かいました。モギリを入って左には椅子とテーブルがあり、自動販売機もあります。また、右の方にはトイレがあります。
中に入ると、なんとなく懐かしいIMAXシアターの雰囲気。壁一面の大きなスクリーンとスタジアム型の傾斜した座席。後ろから2列目の中央だったのですが、品川などと同様、一番後ろでも目線はスクリーン中央くらいです。
既存の IMAX DIGITAL シアターの既存スクリーンを改装したのと違うのは、座席の数と配置。すり鉢状の配置にしてあるだけでなく、左右についても扇形の範囲にのみ座席を配置しています。最後列でもスクリーンからの距離がそれほど離れないので、スクリーンのエッジが視界に入らないんですね。O列までしかないので、15列しかないのです。川崎より5列少ないということになります。これにより、確実に没入感を得られるような設計になり、今までのような「ただの大きなスクリーンの劇場」という印象を受けにくくなったと思います。しかし、品川はもっと少ない11列しかありませんでした。それでいて、スクリーンのサイズはもっと大きかったわけです。
改めてスクリーンのサイズを確認すると、やはり何かが違う。スクリーンの高さは、川崎などと比べると大きいと思う。しかし、画面の縦横比がフィルムIMAXとは違う。やっぱり IMAX DIGITAL 仕様。ハッキリいうと、ほぼビスタ。壁いっぱいの大きなビスタ。
後ろから2列目の中央N-22から取ったスクリーンの様子です。スクリーンの下が丸いのは、カメラのせいではなく、最初からスクリーンの下が丸くなっているのです。

ちなみに、同じカメラで川崎の劇場を撮影したものはこちら。

スクリーンの比率がビスタなのは、本編前に流れた「STOP映画泥棒」でも確認できました。スクリーンより一回り小さいサイズで投影されていたのですが、余白を見るとほぼ比率は同じ。フィルムのIMAXでDMRの場合、画面の比率は正方形に近くなり、横がカットされたような感じになっていたはずです。本編はスクリーン一面に広がるものの、あまりカットされてるような違和感は感じない。
最初は字幕の大きさが普段よりも大きいのが気になりましたが、そのうち慣れました。
ついでに音響についても触れておくと、やはり爆音系です。椅子がビリビリするくらいの時もありますが、川崎の印象と比べると、デッド感が強くて、余計な残響がなく、私としては好みの響きでした。
終了後、お約束として、最前列の中央に座って視界を確認して見たのですが、この時に、従来の IMAX とは決定的に違う部分に気がつきました。最初、劇場に入った時は気にならなかったのですが、最前列は、スクリーンの下端と同じ高さの床に設置されているのです。このことは、通常スクリーンを改装した劇場ではしょうがないことかもしれませんが、フィルム版の劇場ではちょっと考えられません。最前列よりも低い位置にスクリーンの下端があるはずだからです。これもビスタが基準の IMAX DIGITAL 仕様だからなのでしょう。興味がある人は、元々はフルIMAXだった、品川のシアターZEROを確認してみてください。

その最前列中央に座ってみた感じですが……、ただただ壁です。6mくらいしか離れてないのですから。字幕版の映画だと、字幕部分しか見えないんじゃないかと心配になるくらい、上と左右の端に対する角度がきつそうでした。2000円払ってこの視界ってのはいやだなぁ。
そうそう、椅子は通常のシネコンなみ。品川や新宿の場合は窮屈な感じがしましたが、そういうのはありません。ただし、何故かカップホルダ部分だけは貧弱で、肘掛の部分の木材の幅のまま穴を削った、という感じ。品川の「穴あけときましたー」的な奴よりはマシですけど……。

最後に、スクリーンの高さを確認しようと思って、写真を撮ってきました。非常口がスクリーンの端と同じ面にあるので、この扉の高さが180cmだと仮定すると、だいたい10mということになります。200cmだったとしても、12m程度ですね。2chでは14mという数字が挙がっていましたが、そんなにはないんじゃないかと思います。

(2012-05-28追記)
LiLiCoさんの写真も検証してみましたが、Wikipedia によると彼女の身長は 168cm。靴の高さを考慮しても、180cm くらいで、その6倍くらいの高さなので、10m くらいというのが妥当な感じです。

(2012-05-28追記終)
おそらく、国内のIMAX DIGITAL シアターとしては最高の出来で*1IMAX 体験としては、フィルム時代に負けないものを持っていると思います。しかし、一度でも本物のフィルムのIMAXを経験していると、やっぱり何かものたりないものを感じるというのが率直な感想です。
私がどうしても IMAX DIGITAL のを見る時には、川崎でN列あたりの席を取るでしょう。やはり作品より高い交通費をかけてまで行くだけのメリットはありません。
一方、成田が近い人は、他の IMAX DIGITAL シアターに行く必要はないでしょう。
今後、国内で IMAX DIGITAL を展開する場合は、ここを基準に設計して欲しいですね。ただし、最前列からの視界には改善の余地ありです。

(2012-05-28追記)
UNITED札幌も、スクリーンの下端は最前列とほぼ同じ高さとなっているようです。もしかしたら、そういう規格なのかもしれません。
壁一面の大画面で、最後列でも圧倒される視界と座席配置、という点では、やはり成田が一番まともなのだと思います。
(2012-05-28追記終)

*1:元々IMAXシアターだったUNITED札幌は見たことがないのですが、上映システムの都合から、元々のスクリーンの上下一杯に投影されるわけではないと思っているのですが、実際はどうなのでしょう? < コメントいただきました。